【読書】お前なんかもう死んでいる プロ一発屋に学ぶ50の法則
これね、2011年の本なんすよ。今は2019年。8年前。
この本のあとに伸介引退みたいなくだりがあって、司会ポジションが空いたけどどうしようもなくない?という時代だった気がする。それからちまちまと時代が変わっていって・・・ゴールデン番組持ってたりする時代が来たのだ。すごいよねー。
お前なんかもう死んでいる プロ一発屋に学ぶ50の法則
お前なんかもう死んでいる プロ一発屋に学ぶ50の法則
実話に基づいた事実は事実だろうけども、自分の考えていることを書いている部分はどれも真実感がない。
「お前、こういうの求めているんだろ?」
という空気が文字から漂ってくる。踊らされている感。
猿岩石時代
一発屋としての一発目。結局売れたから二発屋と言ってるらしいけど。
本人いわく、この時は芸人ではなくアイドルとして売れたと言っていた。確かに、この時代のテレビは本当にパワーのあるメディアだったし、やっていることもウソがない最悪のパワハラメディアだったから真実の辛さだったんだろう。だからこそ、にじみ出る本質的な苦しさに人々はワーキャー言ってたみたい。
仕事がない
まったくなかったらしい。ただ、無限に貯金していたので無限に寝るだけの生活をすることができたらしい。ひたすら後ろ向きの思考と本文には書いてあったけども、この「無」を切り抜けられる時点で現実的な後ろ向きだった。
ちょこちょこ、ホームレスにはなりたくないと書いてあった。実家という選択肢が終わっている以上、自分が詰んだら人生もひたすらくだるだけという自覚があったからこそビビって永遠に貯金を食いつぶす選択が取れたんだろう。なんか、良い方に転がった消極的な人間なのかもしれない。
でも、そもそも、今仕事ががっつり周ってきている時点でセンスがあったんだろう。
有名な庶民みたいなイメージある。親しみやすい憎めないみたいなそんな感じ?
仕事があってもそんなものは運
これはウソっぽくない。たぶん、根幹にある人生へのスタンス。実力があったからこそなんて言わない。たまたま選ばれただけなんだと。
たぶん、実力以上に「たまたま」の要素は大きい気がする。
何かしらが噛み合ってそのルートに入れるみたいな、現実の分岐はバグルートみたいなもんだ。
世の中は実力があれば正当に評価されるわけじゃねえのよ、たまたま、拾ってもらえればラッキーなのよ。その流れはいつまでも続く現実じゃなくて所詮一過性の夢なのよ。
と、諭されている気がする。現実が分かっているあたりが芸能人らしくない。「庶民のひがみ」だ。これが分かるから同類だと思われて好感度高いんだろうなあ。悪口言っても嫌われないのはここら辺の感覚を理解していることが周知されてるから、ああ、そういうやつね~みたいな流され方を世間全体からされている感じがする。
金が全てだ
金はすべてを解決する。貯金の数値を眺めることで安心できる。そして、幸せに貯めたまま死ぬのがいい死に方だと言っていた。
かなり真実だと思う。まだ死んだことはないので実体験じゃないけど。
金というステータスは衣食住みたいなベーシックな人間としてやらなきゃいけないことに心配しなくていいという万能の力だから、心の平穏にかかせない。
現代において、これほど汎用性のある数値があるか?
だって、どれだけ腐った性格のやつだったとしても金があればチェーン店で飯は食えるし、金さえあれば住むところも確保できる。
だからこそ、全てなんだろう。金は偉大だ。
かつ、ないとなんもできない。金で交換するのが当たり前の世界だから金がないものには交換することができないのだ!
そうなると、他人の金でも欲しくて欲しくてたまらなくなるらしい。
金がないことは心がどこかに吹っ飛んでいくのだ。
たかる
上島さんという単語が50回ぐらいは出てくる。ものすごくバカにしてるけど上島さんはいい人だ!というダイレクトマーケティングだ。
それも狙いなのかもしれないと思うとなんかもうこの本全体に何を思えばいいのかわからなくなる。
寅さんが好きな人にたかれ!と言っているのが面白い。好きならそりゃ優しいだろうなあって思う。
まあ、私は寅さんなんて見たことないんですけども。テレビの古代人向けのダイジェストでしか見たことない。
たかれは表面的で、本質的には人に対しておごってもらえるような下っ端の立ち回りもあるよということを読み取れればいいんじゃねえかな~と思いました。
上昇志向のビジネス書ばっかりのレパートリーにいい毒を入れることができた。かもしれない。