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【読書】人殺しの論理 凶悪殺人犯へのインタビュー

読んだら悪い夢見ました。あんまりこういうの得意じゃないです。

基本的には悪い話は耳に入れないことで対応しているのですが、たまにはこういうのも興味本位で読んでみてもいいかなあと思った次第です。

ずっと昔に読んだ嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん思い出しました。オタク。

人殺しの論理 凶悪殺人犯へのインタビュー


人殺しの論理 凶悪殺人犯へのインタビュー (幻冬舎新書)

事件記事の裏側

ネタになる事件のネタにならない事件がある。
これを踏まえたうえで金にもならなくても事件を追ってしまったりするそうだ。
真実ジャンキーだ。

取材をする人間として情報をもらう以上、
飲食店では客として、次の展開で記者として取材する。
リターンを与えること。一方的でないことで信用を勝ち取ることができる。

近所の人であれば言い方を変えることで、情報を話しやすくなる。

話したいと思うような人間性が必要なのだ。取材をするだけのハゲタカ記者では、話そうという気にならない。相手の心を差し込むのが大事なのだ。


ナーバスな事件周りに対して信用を勝ち取る記者のテクニック紹介のくだりだった。

北村孝紘の涙

この事件、動機はかなり単純なものであり、計画性というものはまるでない。

よく言えば単純。純粋。この純粋な部分に人間性を感じた。みたいね。


身内には優しいが、自分の利益の方がよっぽど大事だという考え方。行き過ぎてしまったんヤンキーのようなものだろう。
ダチは大事だけどそれ以外はどうでもいいぜ!みたいなやつ。

ほぼ全ての人間が持っていると思われるテリトリーの感覚。

身内以外にはまったくなかったからこそ殺人を平気でできたんだろう。

ブレーキがないのはとても危険だ。こわい。

義理堅かったり母親想いだったり普通っぽく書かれていた。なんというか、ブレーキ以外はまともなんじゃないの?みたいに思える。


幸い、自分にはそのまともな感覚があるようなので足を踏み外さなくて済んでいる。人間だ。

松永太の笑顔

ファンタジーのような家族乗っ取り劇。なにかしらの元ネタになっている気しかしない。

相手が他の選択肢を奪うことにより、支配をしていくのはもうマンガ。
こういう存在がいるという認識を得ただけでも、プラスだ。ちゃんとこわい。

ググったけどまぁ爽やかな顔していることー。

支配衝動を感じる。すべては自分の為にあるんだろうと思い込んでいるし、それに対して罪悪感がないらしい。すごいよね。普通はなんか思うところがまったく思わないというのは悪の才能なんだろう。

事件自体も自分で手を上げることはなく、次の矢面はお前になるぞという恐怖で支配して誰かにやらせる。それを連続して人を破壊し続けた。

他人の苦しみを自分の苦しみとして置き換えることは決してないし、どうなろうと知ったこっちゃないんだろう。

インタビューで本人と会った際も笑顔。
支配のための顔なんだろう。呼び名を徐々に変えていくのも人心掌握術感がある。
読んでるだけでビビっちゃうね。

犯罪者ほどいい人感があるっていうし、自分の目を鍛えておかないとなあと思いました。

マルチのお誘いの人たちもボスキャラを覗いたら普通の人々だったし、悪い奴は分かりやすくなく、じわじわとこちら側に入ってくる。

そういうものなんだろう。

角田瑠衣の公開

尼崎連続変死事件

子供を人質に取られたのもあるが、犯人に対して抵抗できなかったのはメンタルの問題だと思う
相手が全力で支配をしてきているのにも関わらず、平和的な解決方法をどこかで望んでいる

なぜ私達がこんな目に遭っているのか、そういう余計なことを考えているからこそ、目の前の相手に集中できなかったのかもしれない

いざとなったら、目の前にしっかり集中する力を得たい。

が、実際には選択肢が見えなくて苦しみながらも早くこの時間が終わってくれ・・・!と願い続けることになるだろう。恐怖とはそういうものだと漫画で知ってる。


娘が悪人に飲み込まれてしまった父へのインタビューがメインだった。この被害者は生きている間ずーっとこの凄惨なものを引っ張らなければならないけど、孫と遊べるおじいちゃんといて生きているようなのでよかった。救いがないわけじゃないらしい。

山口浩一(仮名)の依頼

殺人犯は、自分たちの人生を特別なものだと思う習性があるらしい。
俺の人生をファンタジーにだぞと言いたいらしい。

内容を読む限り自己中心的な考えが全面に出ている。相手が変わらないことに対する苛立ちを抑えられない、幼稚な考えから脱出できなかったみたい。勢いでおりゃーって感じ。

話を聞くだけ聞いて、ビビットな話題だけ雑誌に載せてそれでおしまい。
本になるほどではないならない、雑誌のコラム程度も人生だったのだ。

そんなもんだよね。わりーやつが評価されすぎてはいけない。

筧千佐子の秋波

どこにでもいるおばちゃん
でも、そもそも偏差値が70ぐらいあるらしい
頭いいサイコパス。漫画かよと思う。でも、頭がよくないとすぐ捕まるし連続にはならないよなあ。

発言から漂う、自分自身のこともどこか他人事。
自分というキャラクターを最大限に生かす方法をよく分かっているけど他人への共感性がゼロ。
キャラクターとしては人間らしく振る舞えるが、本質としては化け物。
立ち回りが完全に自分以外はどうでもいい。自分さえ良ければいい。それの極み。

自分のポジションから狩り取れる独身の男性を狩っていくこと。ハンターだよなあ。
他の殺人犯たちは恐怖や暴力による殺人だけど、こちらはメンタルの弱い人間の隙間に入り込む。

相手の枠が空いてるから、差し込んで、残りは作業で殺すだけ。そんな淡々とした雰囲気を感じる。強い殺意があるわけでもなく、お金をドロップするモンスターぐらいの感覚で殺してそう。

インタビューの最後でも、利用価値がなくなった途端にどうでもよくなるところが、他人を道具と思っていることが出てる。